税理士・社会保険労務士をめざすうさみみミカエル227

個人税理士事務所で働きつつ資格取得のために勉強、仕事や勉強、その他何かあったことを固くならないように紹介していくブログ。

この時期にまったく関係ない「牛・フリー」の話

畜産農家(牛)についての仕事をしていた話。

畜産農家が利益を正しく出すには、家畜の原価が必要である。
いろいろやり方はあると思うが、私たちがよく使うのは農家での育成開始日~出荷日の記録。
当然牛1頭ずつ違うので、1頭ずつ情報が入っている。
管理番号や仕入先、出生日や牛の種類。
その中に性別もある。当然、乳牛はメスである。


その性別欄にオス・メスではなくフリーと書かれた牛が何頭かいる。
牛にはオス・メスではない性別の分類があるのだろうかと思い、ちょっと調べてみた。


結論から言うと、このフリーはちょっと変わったメスである。
正式名称をフリーマーチンというが、どうやって生まれるかというと、牛の双子が産まれるときである。
オス2頭、メス2頭、オス・メス1頭ずつの3パターンが考えられるが、フリーマーチンが産まれるのはオス・メス1頭ずつの場合だ。
しかしこのフリーマーチン、農家にとってはちょっと困った存在である。


メス牛なら基本的に乳牛となる場合も多いが、フリーマーチンは乳牛にはなれない。
というのもこのフリーマーチン、オス・メス両方の生殖器がそれぞれ不完全な発達状態で存在するためである。
妊娠に至らないので、当然乳も出ない。
しかも、親牛がオス・メスの双子を妊娠した場合フリーマーチンは9割以上の割合で起こるから、なおさら農家にとっては困った話である。


では肉牛としてはどうか。
フリーマーチンと同時に産まれたオス牛は肉牛として育てられるか、肉牛を育てる農家に引き取られる。
このフリーマーチンも肉牛として引き取られることになるが、同時に産まれたオス牛よりもかなりの低価格になる模様である。
メスだが乳牛になれないというだけでかなり価値が下がるようだ。

この現象、牛に限らず他の生物でも起こるようだが、牛はオスとメスとで家畜としての価値や育て方が変わるので特に問題になりがちである。



人間でも少し異なるが両方の生殖器がある子が生まれてくることもあるようだ。
半陰陽インターセクシャルなどというようだが、この場合は双子でなくても起こる。
この場合、出生届はどうなるかというと、「性別留保」なる手続きをとることにより、性別を記載しないことが可能である(いつかは性別選択は必要になるようだが)。

しかし、生殖能力を確保するために生後すぐに手術をする例もあるようだが、成長後に本人の性自認が異なる場合もあるなど慎重な判断が必要になるようだ。


人間の場合は本人の意思と言うのもあって個人的、社会的にも複雑な問題になるが、何より大事なのは本人の意思であろう。
もちろん、周囲とうまくやっていくことが前提であるが、その上でなら多様性の1つとして認められるべきであろう。



あれ、牛の話をしていたはずなのだが……?